動画仕上げについて調べた
とある事情でアニメのOP動画のようなもの(といっても静止画を動かす感じのやつ)をつくる必要が生まれたので最近のアニメっぽい仕上げに近づけるにはどうやるのかなーと思って調べた備忘録的なメモです。動画の制作はAfter Effectsでやってます。
ちなみに最近のアニメっぽい仕上げっていうのはこういうキャラの輪郭が少しボケてボワーってなってるやつです。
普通に絵描いただけではこんな感じにならないので、神は細部に宿る的な処理なんだろうなーと思っていたのですが、自分でも作ってみたくなったので調べました。
いろいろ調べてみるとこんな良さげな記事が出てきました。
アニメの撮影の工程では静止画をパラパラ漫画の要領で組み合わせたあと、こういう処理をやってるらしい。
・エフェクトワーク:エフェクトを追加し、場面に臨場感を与える
・ライティング:光源を意識し、場面にリアリティを与える
・セル調整:ほほのぼかしや肌にグロー効果を加える
・色調整:人物、背景間等で色味が合わない場合、合うように調整する
・テクスチャ貼りこみ:人物、背景以外で追加したい素材を合成する
とりあえずライティングとセル調整のところだけやってみました。
ちなみに元の絵はこんな感じ。
ライティング
絵の影が右下に向かって落ちているので、こういう左上に光源がくるようなグラデーションエフェクトを平面を上に乗っけて、オーバーレイにしたあと、不透明度を40%ぐらいにしたらこんな感じになった。
左上の光源にした方が少し明るくなって現実味が出た気がする。
さっきのブログに、
人物セルのこちらからみて右側にある「カゲ」にリアリティや画面全体の空気感を与えることができるのです。
とあるので、背景絵がもう少しちゃんとしてるとわかりやすいのかも。
EQにしろドロップシャドウにしろエフェクトはわからないくらいかけるのがちょうどいいって誰かが言ってた気がするのでこのまま進めます。
セル調整
セル調整はディフュージョンフィルタというのをかけたあとに、画像のジャギを取ってグロー効果というのをかけるらしい。なるほど。
「DF(ディフュージョンフィルタ)」という処理をセルにかけます。これは明るい色だけを「飛ばす」効果処理です。この効果をかけることを前提に「明るい色」と「暗い色」のメリハリをつけていきます。
このディフュージョンを行うと、明暗色間での調和をとることができるのですが「明るい色」を突出して飛ばすという処理のメカニズムから人物の「主線」のくどさを軽減することができます。
まずディフィージョンフィルタをかけてみたんですが、AEでのかけ方がわからなかったので調べたらスッと出てきました。
薄めがいいなと思ったので上のエントリのDF-Aの方法でやりました。
↑一番上のレイヤー
複製レイヤー①:合成モード「オーバーレイ」にして不透明度30%。
トーンカーブで軽くS字にしてコントラスト上げて、
ブラー(滑らか)を20でかける。
複製レイヤー②:合成モード「輝度」にして不透明度30%。
ブラー(滑らか)を20でかける。
オリジナルレイヤー:何もせずにそのまま置く。
↓一番下のレイヤー
おお!なんかだいぶボヤッとしてきた!よさだ!
ここで、ジャギとりをしとくっぽい。
調べると、OLMという会社(?)のOLM Smootherっちゅうプラグインを使うとさくっとできるっぽい。
なんでもポケモンとか妖怪ウォッチの制作にも使われてるツールなのに無料で使えるらしい。太っ腹過ぎる...ありがとうございます!
ジャギを取ったので、グロー効果をかけます。
グロー効果がどんなものなのかはここが分かりやすかったです。
上の記事はPhotoshopでの方法ですが、AEでも同じような事ができました。
その結果、、、
肌がツヤツヤした!!!!!!
テカらせすぎてPhotoshopオバケみたいになってる気もするので、もう少し微調整したほうがよさそうですが、だいぶイメージに近づきました!
制作の現場の方はこんな処理を毎回やってるのかー!!すげぇ大変だな...
(ある程度自動化されてるとは思うけども)
処理工程を知ったことで、普段見ているものがもっとありがたく感じられそうです。
ありがたや...ありがたや...
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